病床数から見た病院の動向

病床数について語る際、病床数とは何を示しているのか知っておかなくてはいけません。私もはじめは知りませんでしたが、病床とは入院する患者さんが使うベッドのことであり、病床数とはその病院が入院患者をどのくらい収容できるのかを示す指標にもなります。
このことから、病院の規模をあらわす単位とも考えられているのです。一般的な医療機関(歯医者を除く)で病床数が19床以下の医療機関を「診療所」、20床以上の医療機関を病院という風に分類しています。ですから、入院設備の無い個人病院などは診療所という分類に分けられるのです。
また病院の規模を端的に表すことから、特定機能病院のような医療の中核を担う病院などは一定数の病床を有することが定められています。受け入れ態勢が整っていなければ患者を安全に受け入れることができないからです。病床数から見た病院の動向としていえるのがまず病床数を減らす、または無床の病院は増える傾向にあるが、病床数を増やす、または病床数の多い病院は減少傾向にあります。これは慢性疾患を多く抱えた高齢者が増加し、老人保健施設などの療養病床という病院以外に入院する施設が増えたことによって、入院患者の大半を占めていた高齢者が移行したことが要因となっています。その証拠に、一般病床数は療育病床が増えだした1997年から急激に減少しています。このことからいかにそれまでの病院の病床を高齢者が占めていたのかがわかります。病床の動向を調べることで、医療の動向も見えてくるのです。